長期的視野で賃貸経営を考える
賃貸経営を始めるにあたっては、「どういう賃貸住宅を作るか」という商品企画や事業計画を長期的な視野で検討することが重要です。 賃貸経営がうまくいくかどうか、その半分以上はこの計画にかかっていると言っても過言ではありません。
きちんとしたプランを作らずに賃貸住宅を建ててしまった場合には、その後の募集広告やサービスでどんなにがんばっても限界があるのです。
それでは、成功する賃貸住宅を作る為にどのようなアプローチをとっていけば良いのでしょうか?
オーナー自身の目標設定
純粋に賃貸経営の収益最大化が目的なのか、それとも相続や税金に関わるテーマの手段としての賃貸経営なのか、 持家建築に派生するテーマとしての賃貸経営なのか、まずこの目的を明確にしておくことが重要です。 主軸となる目的をどこに置くかによって、はじめのプランも大きく変ってくるはずです。
所与の属性をうまくいかす
物件場所・地域の特性(土地の形状、周辺の建物・道路環境、風向きや採光など所与の属性)をうまく企画に生かす為に整理します。
想定顧客の設定
価値が多様化した現代において全ての顧客を満足させる商品を提供することは困難です。生活スタイルもそれぞれですから、 住宅に求めるものも異なるのです。数ある想定顧客層の中から、自分がこれから企画・開発し提供する 賃貸住宅どんな層をターゲットにするのかを決める必要があります。
商品企画の命は差別化にあり
競争激化の時代には他の物件と差別化できる物件であることが重要です。特徴のない物件は居住者のこだわり、 嗜好が強まっていく中で競争力を無くしていく方向にあります。差別化する為の特徴は土地、間取り、設備、デザイン、 利用用途など様々考えることが可能です。
どんなに魅力的な物件であっても、それが一過性のもので、時間の経過と共に陳腐になってしまうようではいけせん。価値が長持ちするような仕様の住宅を設計することが大切です。
リフォーム
具体的には、「時間とともに古ぼけないデザインであること」、「将来的な技術動向を見据えた設備を選択すること」、
「経年変化に耐えうる建材であること」などが重要です。
価値の長持ちする住宅を作れば定期的な修繕やリフォームにかかる費用も低減させることができます。
建築コストを試算する際には、単に初期の費用(建設コスト)が高いか安いかでなく、
長期的視野で発生するコストと収入を試算していく姿勢が必要です。
経営は数字で考える!事業計画の必要性
良い賃貸物件の開発企画と平行して、それが事業として成り立つかどうか具体的な数字ベースで検証していくことが重要です。これが事業計画です。
良い建築プランができること、そしてお金の面でもうまく回る試算がとれていること、その両方が大事なのです。