引渡し(ひきわたし)
占有の移転、つまり物に対する支配をある人から他の人に移すことを意味することが多いです。したがって現実に引渡し、つまり物の上の現実の支配の移転(たとえば動産については手から手へ渡し、家屋についてはその鍵を渡すことなど)のみならず、占有改定、簡易の引渡し、指図による占有の移転を含みます。民法178条によって引渡しは動産物権変動の対抗要件とされています。物権は排他性を有しますのでその変動は外部から認識できる表象をともなうことが望ましいですが、不動産に比して動産取引は日常頻繁に行われ、動産物権変動をいちいち登記、登録することは不可能ですので、引渡しがその対抗要件として選ばれたのです。
- 義務違反者に対する措置(区分所有法における〜) / 農地法 / 小作権 / 二重賃貸借 / 弁済 /